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がん患者学―長期生存をとげた患者に学ぶ |柳原 和子

がん患者学―長期生存をとげた患者に学ぶがん患者学―長期生存をとげた患者に学ぶ
柳原 和子
晶文社 刊
発売日 2000-07


『患者による患者学のはじまり』宣言! 2005-07-27

 ちょうど、私が同病者として、労働現場に戻りつつあるときに、晶文社から分厚い原本が出版された。「患者による患者学のはじまり」に足場を作ろうとしている著者の勇気に感動した。

 私の読み方は、同病者としては次のようになる。

 第3部の「再生?私とがん」には特に注目した。私も同病であり、あの時代に迷える子羊としてさまよっていたからである。

 この著者に関心をもつのは当然のことであった。この人の母が卵巣癌と診断され闘病生活の末亡くなったこと。更に、幼いときより母のいとこで「癌には個性がある」と主張していた医学者佐藤博氏の影響を受けていたこと。私は、彼女がノンフイクションライターという立場から、あらためて「がん」なるものを明らかにしようという姿に感動した。

 早期発見・早期治療はベストという既成の価値観は、近藤誠氏の『がんもどき理論』により突き崩されていた。良心的な医師も動揺していた。

 さらに、ホスピスの登場。在宅で死を迎えたいという希望。それにつきあってもいいという医師たちの登場。

 帯津良一氏を頂点とする代替医療の大流行。このような状況の中でこの書物は誕生した。

 

●がん患者は医師たちにわが身をゆだねるのではなく、自らの病を癒す方法を選択しなければならなくなった。

 がん患者として闘病しつづけている柳原和子は「長期生存をとげた患者に学ぶ」(原本の副題)という視点から自己の仕事を再開した。長期生存している患者はいるのだ。今、あらゆるところで「がん告知」をされ絶望している大勢の人たちに希望をあたえる書である。いや、彼女の生き方そのものが、人とがんの関係を新しく見直してくれるのかもしれない。

 がんのとらえ方も変わった。がんは我が身体にある細胞の遺伝子が何らかの原因で傷つき細胞増殖を止めることができなくなった自然な現象に過ぎない。

 それでを、私たちはがんを病と言い、どこかでおりあいをつけれたらと願っている。原因究明は進めどもそれは治療とはつながらないことは抑えておいた方がいい。

 


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